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ガイド · イヤホンの形

イヤホンの形を決める二つの軸と、仕様欄で最初に探す5行

· 執筆: Rowan Ellis

黒いイヤホン本体2つが細いケーブルで首の後ろに回るバンドにつながったネックバンド型。バンドの両端は銀色で、片方に操作ボタンが並んでいる。白背景の商品画像

Bluetoothイヤホンは、左右が離れているかどうかと、耳のどこに触れるかの二つを先に決めると早く絞れる。形が決まれば、仕様欄のどの行を読むべきかも決まるからだ。EARSOLEの3機種を同じ順番で並べてみると、IPX4やIPX5のような防水の等級表記はどれにもなく、Bluetoothのバージョンが書かれているのは1機種だけだった。空いている行の位置は、買ったあとに困る場所とだいたい重なる。

左右のつながりと、耳への触れ方

いちばん粗い切り口は左右の話だ。左右のイヤホンがケーブルでつながっていないものが完全ワイヤレスイヤホンで、左右が細いケーブルでつながり、そのケーブルを首の後ろに回すのがネックバンド型、いわゆる左右一体型になる。この一点だけで、充電ケースが要るのか、首まわりにケーブルが残るのかが分かれる。

売り場の表記は揺れている。無線イヤホン、ブルートゥース、ワイヤレスと書かれていても、指しているのは「再生機器とケーブルでつながっていない」ということだけで、形の情報は入っていない。形を絞りたいときに、この三つの言葉は手がかりにならない。

商品名や説明文でTWSイヤホンと書かれていることもある。True Wireless Stereoの略で、完全ワイヤレスと同じものを指す。左右が独立している分、片方だけ失くす可能性があり、逆に片耳だけ使える機種もある。左右一体型はケーブルが首に残る代わりに、外したときに胸元にぶら下がるので置き忘れにくい。

もう一つの軸が、耳のどこに触れるかだ。イヤーピースで耳の穴をふさぐカナル型、耳の入口のくぼみに本体を置くインナーイヤー型、その中間で耳に載るが深く密閉しないセミインイヤー、そして耳の穴の外に音の出口を置くオープンイヤーに分かれる。耳のフチを挟むクリップ型はオープンイヤーに入る。イヤホンの種類を説明する文章でカナル型やインナーイヤー型という言葉が出てくるのは、この軸のことだ。ふさぐほど外の音は減り、ふさがないほど周囲は聞こえる。

二つの軸は独立している。完全ワイヤレスでカナル型もあれば、完全ワイヤレスでオープンイヤーもある。EARSOLEの3機種はちょうど別の枠に入っていて、セミインイヤー型は左右独立×浅く載せる形、ネックバンド型は左右一体×耳の穴に入れる形、クリップ型は左右独立×耳の外に置く形になっている。

「SEMI-IN-EAR COMFORT」「Light feel. Easy listening.」という英語の見出しが入った黒地のグラフィック。左にイラストの耳と、そこへ浅く置かれた黒いイヤホン、オレンジ色の曲線。右に本体2つと四角い充電ケース
耳の穴を深くふさがずに載せる位置を示した、メーカー提供の商品ページ用グラフィック。英語の見出しとイラストの耳で構成されたもので、実際の装着を撮った写真ではない。

Bluetoothイヤホンの仕様欄で先に探す5行

形が決まったら、仕様表は上から順に読むより、次の5行を探しにいくほうが速い。

  1. 接続の世代。5.1、5.3、5.4といったバージョンは消費電力や接続の安定に関わる規格の世代で、音質の等級ではない。Bluetooth SIGは、音声のストリーミングを主に担ってきたのはBluetooth Classicの側で、これがワイヤレススピーカーやヘッドホン、車載機器の背後にある標準的な無線プロトコルになったと説明している。近年はLE Audioという枠組みが加わり、LC3という低消費電力のコーデックとAuracastの一斉配信が入ったが、3機種の商品ページにはLE AudioもLC3も出てこない。バージョンが明記されているのはネックバンド型の5.1だけだ。
  2. コーデック。SBC、AAC、LDACといった名前は、音をどう圧縮して飛ばすかの方式で、iPhoneを使っている人はAACの対応可否を気にすることが多い。3機種のどれも、コーデック名を書いていない。ネックバンド型はHFPやA2DP、AVRCPといったプロファイルの番号を並べているが、プロファイルは「音声を流す仕組み」や「曲送りの操作を伝える仕組み」の名前であってコーデックではない。ここを取り違えると、書いていないものを読み取ってしまう。
  3. 電池の書き方。mAhは電池の容量、待機時間は音を出していないときの持ち、連続再生時間は実際に聴ける長さで、三つとも別の数字だ。急速充電の「10分で何時間」はさらに別の行になる。次の節で、この四つがどれだけ混ざりやすいかを一つ計算してみる。
  4. 防水の等級。IPX4やIPX5のように標準の書式で等級が書かれていれば、汗や雨をどこまで想定していいかの手がかりになる。「防水ではない」と明記されていれば、それも同じくらい明確な情報だ。困るのはどちらでもない場合で、ネックバンド型は本文に防水の記載がない一方、商品ページの画像の一枚には英語で「Waterproof & Sweatproof」という見出しが入っている。画像の見出しは等級ではないので、汗をかく使い方を前提にするなら、注文前に等級を販売元へ確かめたほうがいい。
  5. 操作方法と接続台数。タッチ操作か物理ボタンか、2台同時に接続しておくマルチポイントに対応するか、低遅延モードがあるか。3機種でタッチ操作を明記しているのはクリップ型だけで、マルチポイントの記載はどれにもない。ネックバンド型の本文には低遅延という言葉が出てくるが、ミリ秒の数字も、モードの切り替えがあるかどうかも書かれていない。

国内で使う前提なら、仕様欄とは別に技適マークの表示も確認の対象になる。3機種の商品ページには技適に関する記載がない。記載がないことと取得していないことは同じではないので、気になる場合は注文前に販売元へ問い合わせてほしい。

200時間はどこの数字か

電池の行がなぜ読みにくいのかは、一つの機種に絞って数えてみるとわかる。ネックバンド型の商品ページ本文に載っている数字はこうだ。1,000mAhのリチウムポリマー電池、音量80%で待機最大200時間、Type-C端子で3時間かけて満充電、10分の充電で10時間の再生。

片道40分の通勤なら往復で80分、週5日で400分、つまり週に6時間40分になる。ここで200時間を再生時間だと読むと、一度の充電で30週間もつ計算になる。半年以上だ。同じページの画像に小さく入っている注記のほうを使うと、80%音量での試験で最大10時間なので、一度の満充電で通勤1.5週間分。同じ商品ページの中で、20倍の開きがある二つの読み方が並んでいることになる。

本文が「待機」と書いている200時間を、画像の見出しは「Continuous playback duration(連続再生時間)」としている。どちらの読み方も掲載側の表記であって、ここでは片方を正解として採用しない。読者ができるのは、mAh・待機・連続再生・急速充電の四つを分けて数え、どれが書かれていてどれが書かれていないかを確かめることだ。この機種の場合、満充電から何時間鳴るかという数字は、本文の仕様としては書かれていない。

ちなみに「10分の充電で10時間」が本文どおりなら、朝の支度のあいだに10分挿しておけば通勤1週間分に届く。急速充電の行は、総再生時間より生活に効くことがある。

「Ultra Long Playback Time」の英語見出しが入った販促グラフィック。左に200Hours(Continuous playback duration)、1,000mAh、3Hours(Charging time/Type-C charging port)と数字が並び、中央に立体の200の文字とネックバンド型イヤホン。下部に小さな英字の注記
メーカー提供の販促グラフィック。「200Hours」に添えられた英語は連続再生時間となっているが、商品ページ本文の仕様では同じ200時間が待機時間になっている。画像下部の小さな注記には、80%音量での試験で最大10時間と書かれている。数字はいずれも供給元側が図に載せた表記で、機器の表示を読み取ったものではない。

3機種の掲載仕様、埋まっている行と空いている行

ワイヤレスイヤホンの比較は、機能の多さを数えるより、同じ行を三つ並べて空欄の位置を見るほうが早い。

項目 セミインイヤー型 ネックバンド型 クリップ型
左右の形左右独立左右一体型左右独立
耳への触れ方耳に載せる、深く密閉しない耳の穴に入れる耳のフチに挟む、穴の外
イヤーピース使わないS・M・Lの3サイズ付属使わない
Bluetoothバージョン記載なし5.1記載なし
コーデック記載なし記載なし(プロファイル名のみ)記載なし
電池記載なし1,000mAh、数字の読み分けは本文参照リチウムポリマー、容量の記載なし
充電端子記載なしType-C、3時間で満充電USB-C
本体の重さ記載なし5g未満記載なし
防水等級の記載なし、液体を避けるよう明記本文に記載なし(画像に英語の見出し)防水ではないと明記
操作記載なし本文に記載なし(画像にボタンの説明)タッチ操作
ANC非搭載と明記記載なし非搭載と明記
価格(執筆時点)$23.99(約3,700円)$24.99(約3,900円)$28.99(約4,500円)

操作の行にも同じ読み方が要る。ネックバンド型の本文は操作方法に触れていないが、画像の一枚には「Touch control」という見出しが入り、同じ画像の番号は電源とSiriの呼び出し、多機能ボタン、音量の上下といったボタン式の操作点を指している。見出しと図の中身がそろっていないので、タップで操作したいのかボタンを押したいのかがはっきりしている人は、ここも先に確かめる行になる。

ノイズキャンセリングの行は誤解が起きやすいので、言葉をそろえておきたい。ANCは耳に届く外の音を打ち消す機能で、ENCは通話中に相手へ届く自分の声からノイズを減らすマイク側の処理だ。名前は似ていても働く向きが逆で、ENCがあっても自分のまわりが静かになるわけではない。セミインイヤー型とクリップ型の商品ページは、どちらもANCを搭載していないと自分で書いている。セミインイヤー型のFAQは、内蔵マイクは通話で声を拾うためのもので、まわりの音を消すためのものではないと明記している。ネックバンド型は通話用のマイクを搭載しているとだけ書かれていて、ANCについてもENCについても記載がない。

価格の表示はドル建てで、円の額は決済時のレートで動く。個人輸入では課税価格が1万円以下だと関税や消費税がかからない扱いがあり、この3機種はいずれもその線の下に収まるが、品目や配送方法によって扱いは変わる。送料を含む最終的な支払額と配送の条件は、全商品一覧から各商品ページに入って確認できる。

「CHOOSE YOUR LISTENING STYLE」の英語見出しが入った比較グラフィック。左にEARSOLEのクリップ型イヤホンと、LED表示に100と出た黒い充電ケース。右にグレーで描かれた一般的なカナル型。下に装着位置・装着形式・ケース表示の3行の比較
耳の外に挟むクリップ型と、耳の中に入れる形を並べたメーカー提供の比較グラフィック。ケースに出ている「100」は作図上の表示で、実際の残量表示を撮ったものではない。

形と数字でよく詰まるところ

「完全ワイヤレス」と「ワイヤレス」は別のものですか

指している範囲が違う。ワイヤレスは再生機器とケーブルでつながっていないという意味で、ネックバンド型もここに入る。完全ワイヤレスはさらに左右の本体同士もつながっていない形を指す。ネックバンド型は左右がケーブルでつながっているので、ワイヤレスではあっても完全ワイヤレスではない。片方を失くしにくい代わりに、首まわりにケーブルが残る。

カナル型・インナーイヤー型・セミインイヤーはどう違いますか

耳の穴に対してどこまで入るかが違う。カナル型はイヤーピースで穴をふさぐので、外の音が物理的に減る。インナーイヤー型は耳の入口のくぼみに置くだけでふさがない。セミインイヤーはその中間で、耳に載るが深く密閉はしない。EARSOLEの3機種でイヤーピースが付属するのはネックバンド型だけで、S・M・Lの3サイズが同梱されると書かれている。

商品ページの画像に書いてある数字は、仕様欄の数字と同じものですか

同じとは限らない。画像はメーカー側が作った販促用の図で、見出しの言葉が仕様表の項目名と一致していないことがある。今回の3機種でも、待機時間として書かれている200時間が画像では連続再生時間になっていた例があった。数字を見つけたら、それが本文のどの行に対応するのかを確かめ、対応する行が見当たらないときは「書かれていない」と扱うのが安全だ。

買う前に決める順番

順番は、左右のつながりを決める、耳のどこに触れるかを決める、そのうえで仕様欄の5行を探す、になる。形を先に決めておくと、読む行が減るぶん判断が速い。3〜4月の新生活のように、短い期間で一つ選ばなければいけないときほど効いてくる。

ここまでの内容は、いずれもEARSOLEの商品ページに掲載されている仕様と画像から読める範囲の整理で、当店の実測に基づくものではない。同じ行の順番でもっと多くの機種を並べたいときは、普段使いワイヤレスイヤホンとオープンイヤー・クリップ型の各商品ページを、この記事の表と同じ順に読んでいくと、空欄の位置の違いが見えてくる。ほかの解説記事はブログ一覧にまとめてある。

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