asmr イヤホンを選ぶときの基準は、音楽用とは別のところにあります。ASMRは音量を絞って、ささやきや吐息、指先が触れる音といった小さな高域を聴くジャンルです。したがって効いてくるのは低音の量ではなく、外の音をどれだけ遮れるか、ケーブルや装着部が立てる雑音がどれだけ少ないか、そして左右の位置がどれだけはっきり分かれるか。この3つで候補はかなり絞れます。
ASMRの音は、音楽より「下」にある
一般的な音楽再生では、聴いている音は周囲の生活音よりかなり大きく鳴っています。ASMRは逆です。トリガー音の多くは、静かな部屋でようやく聞き取れる程度の音量で収録されていて、再生時もそのまま小さく鳴らします。エアコンの送風、冷蔵庫のうなり、外を走る車といった生活音は、この音量帯にちょうど重なります。
ここから、最初の判断が出てきます。ASMR向けかどうかを分けるのは再生能力の上限ではなく、静かな音が生活音に埋もれないかどうかです。ハイレゾ対応や重低音といった仕様は、この帯域の勝負にはほとんど関与しません。音質そのものの考え方はイヤホンの音質とハイレゾ・低音の見方で扱っています。
カナル型が有利になる理由と、その代償
耳の穴をふさぐカナル型は、装着した時点で外の音をある程度物理的に減らします。ノイズキャンセリングのように電気的に打ち消すのではなく、耳栓と同じ原理で入口を閉じる。ASMRのように再生音量を上げられない用途では、この「下げる」方向の効き方が素直に効きます。カナル型と、耳をふさがないインナーイヤー型の構造差はカナル型とインナーイヤー型の違いにまとめました。
ただし代償が2つあります。ひとつはタッチノイズ。ケーブルや本体が服や髪に触れると、その振動が密閉された耳の中に直接伝わります。小音量で聴いているASMRでは、この雑音が相対的に大きく感じられます。もうひとつは圧迫感で、長時間つけていると耳の奥が張る感覚が出ることがあります。イヤーピースのサイズを1段階小さくすると収まる場合があり、付属サイズを一通り試す価値はあります。目安は、軽く口を開け閉めしても音が変わらず、外すときに強い吸着感が残らないあたり。左右で耳の穴の大きさが違う人は珍しくないので、左右で別サイズにしてもかまいません。シリコン製は装着が軽く、低反発フォーム製は密閉が強いかわりに耳の中で膨らむぶん圧迫を感じやすい、という差もあります。
電気的に消すノイズキャンセリング(ANC)を足すかどうかは、聴く場所で決まります。通勤電車のような定常的な低い騒音が相手なら効きますが、自室で聴くなら密閉だけで足りることが多い。ANCの向き不向きはノイズキャンセリングイヤホンの選び方で整理しています。なお通話用のマイク側ノイズ低減(ENC)は、聞こえる音を静かにする機能ではありません。ASMR再生には関係しない仕様です。
左右の分かれ方が、ASMRでは音質より効く
ASMRの録音の多くはバイノーラルです。人の頭部を模したダミーヘッドの左右の耳の位置にマイクを置いて収録するため、右耳のそばで鳴った音は右だけに、耳の後ろを通った音は後ろから来たように聞こえます。この「どこで鳴っているか」こそがASMRの中身で、周波数特性の良し悪しはその次に来ます。
だから確認するのは、左右がきちんと独立して鳴るかどうかです。ここで効いてくるのが装着状態の左右差で、片方だけイヤーピースが浮いていると、その側だけ低域が抜けて音像が反対側に寄ります。音質の問題に見えて、実際には装着の問題であることが多い。イヤホンを入れ直すと音像が中央に戻るなら、原因は機器ではなくフィットです。
ワイヤレスの場合はもうひとつ、左右の同期が関係します。左右のイヤホンが独立して受信する方式では、条件によって片側がわずかに遅れることがあります。定位が不安定に感じるときは、まず接続をやり直し、それでも変わらなければ有線で同じ音源を聴いて切り分けると原因がはっきりします。
ワイヤレスで聴くなら、遅延とコーデックを先に見る
asmrワイヤレスイヤホンを検討するなら、音質の前に遅延を確認しておくと失敗が減ります。ASMR動画では、耳かきの棒が画面で当たる瞬間と音が一致しているかどうかが体験を左右します。音声だけを聴くなら遅延は問題になりませんが、映像付きで観る人は多い。
日本ではiPhoneの利用者が多く、その場合ワイヤレス接続はAACが中心になります。AACは遅延が極端に小さいわけではないため、映像と合わせて観る前提なら、製品ページに低遅延モードが明記されているかを見ておくのが確実です。たとえばEARSOLE Q26は、商品ページにBluetooth 5.3と低遅延モードの記載があり、ケース込みで最大20時間と書かれています。価格は執筆時点で$29.99、5色展開です。
寝ながら聴くなら、出っ張らない形を選ぶ
ASMRを睡眠導入に使う人は、選択基準がもう一段変わります。横向きで寝ると、耳とまくらのあいだに本体が挟まる。多くのワイヤレスイヤホンは本体が耳の外側に出る形状で、その出っ張りがまくらに当たって耳に押し込まれます。これが横向きで寝たときの痛みの原因です。
この用途では、耳の外側からの高さが低い設計かどうかが効きます。EARSOLE MY-20は肌に触れる部分がソフトシリコンで、薄型をうたう設計です。価格は執筆時点で$33.99、3色展開。ほかの選択肢もふくめて睡眠用イヤホンのコレクションにまとめてあります。
ただし、寝ながら聴く前提で選んだイヤホンが、そのまま日中のASMR視聴に最適とはかぎりません。薄型化のために ドライバーのサイズが制限されることがあるためです。日中に据えて聴く用と、寝るとき用を分けるのは現実的な選び方です。
結局どこから絞るか
順番としては、まず聴く場所を決める。自室だけならカナル型の密閉で足りることが多く、ANCは必須ではありません。次に映像付きで観るかどうかで、低遅延モードの記載を見るかが決まります。最後に、寝ながら使うなら耳から出る高さを見る。ワイヤレスイヤホンasmrという組み合わせで探し始めると製品数が多すぎて絞れませんが、この3つの分岐を先に通すと候補は一気に減ります。
MX-21 ブラック×ゴールド ワイヤレスヘッドホン
Q2 Pro パープル クリスタル イヤモニ
Purple Sleep Headband Headphones with Triangle Controls
Cream Reflective-Stem Wireless Earbuds
IN-01 ホワイト ANCイヤホン(ケース内側ペールブルー)
シルバー カプセル型 オープンイヤーイヤホン
MN ローズメタリック 着脱式ケーブル イヤモニ
ブラック ANCイヤホン 4インジケーターケース 