イヤホンの片耳が聞こえないときは、片方だけを入れ直すのではなく、まず両方を充電ケースに戻してふたを閉じ、少し待ってから開け直す。左右が組み直る動作が一度リセットされるので、本体の故障でなければここで音が戻ることがある。戻らない場合は、スマホの左右バランス、イヤーピースの詰まり、金属接点の汚れ、登録情報、と順に潰していけばいい。EARSOLEのSeries 161とSeries 162は、どちらも充電ケースに残量のLED表示があると商品ページに書かれていて、最初に電池切れを外すのに使える。
上から順に、6つだけ試す
順番には理由がある。上の3つは道具も費用もいらず、数十秒で終わる。下の3つは登録のやり直しや別の機器が必要になるので、上から潰したほうが早い。ワイヤレスイヤホンの片方が聞こえないのを自分で直すなら、この並びを飛ばさないほうがいい。
- 両方をケースに戻し、ふたを閉じて開け直す。片方だけ戻すのでは意味が薄い。左右がそろってケースに座り直してから、もう一度開ける。このとき、イヤホン本体のランプが左右で同じように反応するかを見ておく。掲載画像でも、イヤホン本体には小さなランプが1点だけ写っている。直ったらここで終了。
- スマホの左右バランスを見る。iPhoneは「設定」>「アクセシビリティ」>「オーディオとビジュアル」を開き、「バランス」スライダが中央にあるかを確かめる。Appleの案内は、同じ画面の「モノラルオーディオ」をオンにすると左右のスピーカーで同じ内容を再生する、とも書いている。Androidはユーザー補助の音声調整に同じ役割の項目があり、バランスの変更と音声チャンネルの統合ができるとGoogleが説明している。スライダが端に寄っていただけ、という結末は珍しくない。直ったらここで終了。
- イヤーピースと音の出口を見る。鳴らないほうのイヤーピースを外し、内側と本体の穴を明るいところで確認する。耳垢や皮脂が薄い膜になっているだけで、音は目に見えて小さくなる。装着が浅くて低音だけ抜けている場合も「片方しか聞こえない」と感じやすいので、入れてから軽くひねって止め直す。直ったらここで終了。
- 本体とケースの金属接点を拭く。イヤホンの根元にある小さな金属の点と、ケース側の受け皿を、乾いた綿棒かめがね拭きのような柔らかい布で拭く。汗をかく季節や、ケースをポケットに入れて持ち歩いている場合は、糸くずが接点に噛んでいることがある。Series 161とSeries 162は商品ページに防水等級(IPX4やIPX5といった表記)が書かれていないので、水やアルコールで濡らす前提の掃除はしないほうがいい。直ったらここで終了。
- スマホ側の登録を削除して、入れ直す。iPhoneはBluetoothの一覧から機器名の詳細に進み、「このデバイスの登録を解除」をタップする。Androidは保存済みのデバイスから該当機器の設定を開き、削除してから登録し直す。GoogleのBluetooth不具合の案内は、この前段としてBluetoothを一度オフにして入れ直すこと、端末を再起動すること、機器の設定で「メディアの音声」がオンになっていることを確かめることを挙げている。なお、左右をそろえ直す機種固有のリセット手順は、2機種とも商品ページに書かれていない。同梱の説明書を見ることになる。直ったらここで終了。
- 別の機器で鳴らす。手元の別のスマホやパソコンにつないでみる。そこで両方鳴るなら原因はもとのスマホ側にあり、どの機器につないでも片側だけならイヤホン本体側だと切り分けられる。ここまで来れば、次にやることは掃除ではなく販売元への連絡になる。
有線イヤホンでもスピーカーでも同じ側だけ小さく感じる場合は、機器ではなく耳の側の可能性がある。痛み、かゆみ、耳鳴り、聞こえ方の変化が出た場合は使用をやめ、医療機関で相談してほしい。

症状から原因を絞る早見表
同じ「片方が鳴らない」でも、鳴り方の崩れ方で見る場所が変わる。上の6手順を全部やる前に、当てはまる行から先に手をつけたほうが早いことも多い。
| 症状 | 先に疑う原因 | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
| 片方だけまったく音が出ない | 片側の電池切れ、または接点の汚れ | ケースに戻したときの本体ランプの反応 |
| 片方だけ音が小さい、こもる | イヤーピースの詰まり、装着が浅い | 音の出口とイヤーピースの内側 |
| 片方だけ電池の減りが早い | 接点の当たりが弱く、充電しきれていない | 接点とケースへの座り方 |
| 1台のスマホでだけ片側になる | 左右バランスの設定、または登録情報 | アクセシビリティのバランスと登録の削除 |
| 一覧に左右が別々に出てくる | 左右の組み直しに失敗している | ケースへの入れ直しと登録の削除 |
| どの機器につないでも片側だけ | イヤホン本体側の不具合 | 販売元への連絡 |
左右の役割分担が崩れると、片方だけが取り残される
完全ワイヤレスのイヤホンは、左右が別々の無線機器だ。多くの製品では、まず片方がスマホとつながり、もう片方がそこへ合流する形をとる。合流に失敗すると、スマホ側からは1台つながっているように見えるのに、耳には片側しか届かない。ワイヤレスイヤホンが片方ずつしか繋がらないように見える状態も、この組み直しの失敗が背景にあることが多い。左右がケースの中でそろって座り直すと、この分担が最初からやり直される。1番を「両方まとめて」と書いたのはそのためだ。
2機種とも、商品ページには自動でペアリングされること(Auto one step pairing)と接続の速さが書かれているだけで、左右を手動でそろえ直す操作は載っていない。無線の世代はSeries 161がBluetooth 5.4、Series 162がBluetooth 5.3と記載されている。世代が新しいほど組み直しに強いとは商品ページに書かれていないので、数字で判断するより、ケースへの入れ直しと登録の削除を順にやるほうが確実だ。

直らなかったときに、修理と買い替えを分ける金額
6番まで来て本体側だと分かったら、次は費用の話になる。国内で買ったイヤホンなら販売店の保証が使えることが多いが、保証の期間も、片方だけを単体で買い直せるかどうかも、購入元によって扱いが違う。Series 161とSeries 162の商品ページには、保証期間の記載も、片側だけの販売についての記載もない。修理や交換を頼む前に、販売元に確認するのが先になる。
金額の目安も置いておく。執筆時点で2機種はどちらも14.99ドル、1ドル155円で換算するとおよそ2,300円になる。100円ショップの1,100円台より上で、国内の売り場でいわゆるコスパ帯と呼ばれる3,000〜5,000円には届かない位置だ。1万円前後や3万円を超える機種なら片側だけの修理を検討する余地があるが、この価格帯では送料のほうが上回ることもある。海外から発送されるため支払額は決済時のレートと送料で動き、課税価格が1万円以下なら免税として扱われる目安の内側だが、最終的な扱いは通関時に決まる。
買い替えるなら、切り分けに使える欄を先に見る
片側だけ止まる事故が起きたあとで見るべきなのは、音質の宣伝文ではなく、次に同じことが起きたときに自分で切り分けられる欄があるかどうかだ。Series 161とSeries 162は、どちらもケースにLEDの残量表示があると書かれている。電池切れかどうかを最初に外せるという点で、これは片側トラブルのときに効く欄だ。ただし左右それぞれの残量が別々に読めるかどうかまでは、どちらの商品ページにも書かれていない。
逆に、両機種とも空欄のままの項目も並べておく。電池容量のmAh、防水等級、コーデック名(AAC、SBC、LDACといった表記)、マルチポイント、イヤーピースのサイズ表記、技適マーク。ENCとANCの別についても、どちらの語も商品ページに出てこない。通話マイク側の騒音処理であるENCと、自分に聞こえる音を打ち消すANCは別の機能なので、この欄が空のまま買うことになる点は先に知っておいたほうがいい。
記載がある数値のほうも書いておく。再生時間は2機種とも1回の充電で4時間、ケースを合わせて合計24時間。ドライバーは13mm、重さは片側0.08オンス(1オンス28.35gで換算しておよそ2.3g)と書かれている。ただしSeries 162の掲載画像には「4-5H Playtime」と入っていて、本文の4時間と数字が一致しない。いずれも掲載値であって、当店の実測ではない。ほかの形も同じ条件で並べたいときは普段使いワイヤレスイヤホンから、ドル表示のままの価格は取り扱い一覧で、掲載仕様の読み方をもう少し追いたいときは記事一覧から辿れる。
片側だけの不調で分かれ道になる2点
片方をなくしたら、残ったほうだけで使えますか
2機種とも、片側だけで動くかどうかは商品ページに書かれていない。書かれていない以上、買う前や紛失後に販売元へ確認するしかない。スマホ側でできることはある。Appleは「設定」>「アクセシビリティ」>「オーディオとビジュアル」の「モノラルオーディオ」をオンにすると左右のスピーカーで同じ内容を再生する、と書いている。片側だけが鳴る状態でも、少なくとも音の片チャンネルが丸ごと欠ける事態は避けられる。
接点を拭いてもだめなとき、アルコールで擦っていいですか
すすめない。Series 161とSeries 162はどちらも商品ページに防水等級の記載がなく、液体がどこまで許容されるのかを読み取れないためだ。乾いた綿棒か、めがね拭きのような柔らかい布で、金属の点だけを軽くこする。それでも充電が始まらないなら、汚れではなく接点そのものか電池側の問題である可能性が高く、掃除を続けるより販売元に症状を伝えたほうが早い。
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